マンション管理Q&A

ご相談例

 ①管理組合運営について

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    1-Q1.
    マンション管理組合の理事長をしております。当マンションは、自主管理で現在、マンション居住者の高齢化が進み体力的に厳しい状況です。理事の方々で話し合いをするのですが、思うように前に進まなく、わからない事だらけで困っています。どうしたらいいのかわかりません。
  • 1-A1.
    高齢化社会は、日々深刻な問題となっておりますが、マンション管理にも高齢化の問題は起こっているのは事実です。マンション内に様々な問題が発生すると、どこから取り組むのか迷い悩み、前に進まないことはよくある話です。
    当事務所としましては、ひとつひとつの問題を整理し、優先順位を定め方向性を示していきたいと思います。

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    1-Q2.
    昭和60年代に建てられたマンションの理事長をしております。当マンションは、築25年以上が経過しており、マンション諸設備等の経年劣化に対する「ハード」の部分の対応、居住者の高齢化による「ソフト」の部分の対応に気苦労が絶えません。このような問題に向き合っていくための方法を教えて下さい。
  • 1-A2.
    全国的に、マンション居住者の高齢化、それに伴う管理組合運営の機能不全が問題となっております。この「管理組合運営の機能不全」は、マンション諸設備等の経年劣化を放置することとなり、やがて、居住者の日常生活に影響を与える結果となる可能性を高く秘めています。また、高齢者の増加に伴い高齢者世帯も増加しています。管理組合運営において「助け合い」「支え合い」などの「絆」を深めていかないと深刻な問題に発展しかねません。
    そこで、当事務所としては、「マンション再生委員会」なるものの立ち上げを提案し、マンションの「ハード面」「ソフト面」の諸問題解決に向けて助言、指導を行っています。マンション内での解決が困難な場合は「外部の専門家」を利用してはいかがでしょうか。

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  • 1-Q3.
    当マンションは、竣工後20年全く「管理規約」を変更しておりません。ここ最近、管理規約を変更した方が、管理組合員にとって有益な内容もあるだろうからとか、当マンションの管理規約は時代錯誤が甚だしいなど意見がでております。管理規約の変更の方法についてアドバイスをお願い致します。
  • 1-A3.
    管理規約を変更するには、全組合員数の4分の3かつ議決権総数の4分の3の承認が必要となります。実体的には、管理規約を変更したくても、どのような文言に変更すればよいかわからない、変更するには、上記の通り、ある程度の多数の組合員の承認が必要など手間がかかる内容となっております。
    しかし、時代の流れに沿った管理規約に変更した方が全管理組合員にとって有益であることは事実ですし、「快適なマンションライフ」の実現に向かうのも事実と思われます。いきなり総会において、管理規約変更を審議してもなかなか定数の承認を得られる事は難しいですので、「勉強会、説明会」を開催し組合員一人一人に周知徹底し合意形成を図っていく必要があります。
    それでは、誰がどのように管理規約変更案を作成するかについてですが、理事会にて変更案を作っていくことになると思われます。しかし、専門的な内容をより多く含んだ管理規約を変更することは、大変な作業となりますので、マンション管理士などの専門家に依頼するのが、管理規約変更の実現を早める効果があると思われます。

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    1-Q4.
    将来の修繕に備えた修繕積立金を改定したいと思います。
    どのような手順で行えばよろしいのでしょうか。
  • 1-A4.
    将来の修繕に備えた修繕積立金の改定を行うには、まず、「いつの時期」に「どんな修繕」を「いくらの金額」で行うという「長期修繕計画書」の作成が必要となります。つまり、長期にわたっての「修繕費の予算計上」を行わなければなりません。そして、「いつの時期」から改定したら修繕積立金いくらになるのか、試算が必要になります。当然にして、早い時期から改定をした方が比較的、大幅な改定にならないのは事実です。つまり、短い期間で積立すれば、当然にして修繕予算の「しわよせ」が到来することになるのです。「長期修繕計画書」と「修繕積立金資金計画書」の作成は、誰が行うのかということに関しても「理事会」で行うことになりますが、この2つの書面作成は専門的要素が強いため、専門家に依頼することの方が「修繕積立金」改定を早い時期から行うことが出来ると思います。

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    1-Q5.
    自主管理方式で運営している管理組合の理事長です。当マンションは、築年数20年超となり、経年劣化による諸設備の老朽化が進み、更には、居住者の高齢化も進み適時的確に管理組合運営を行うには負担が重くなるばかりです。管理組合運営を的確かつ円滑に行い、更には、理事の負担を軽減するにはどのような方法があるでしょうか。
  • 1-A5.
    分譲マンションが販売された当初は、入居後のマンションの維持管理ということは、あまり重視されなかったようです。特に自主管理となっているマンションでは、「なんとなく」管理組合運営をされてきたのではないでしょうか。しかし、近年、マンションの維持管理がクローズアップされ、その維持管理を行うにあたっても様々な障害障壁が問題視されるようになりました。以上のようなマンション管理組合に生ずる様々な問題解決を支援するいわば「マンションの専門家」という立場の国家資格が誕生しました。それが「マンション管理士」です。管理組合の立場に立ち、管理組合に有益になるように助言指導し、管理組合運営を支援する専門家です。
    ご質問への回答ですが、管理組合役員の業務負担を軽減する方法としては、管理業務を管理会社へ委託する「委託管理」方式と、自主管理を維持しつつ外部の専門家を顧問として招聘する方法があります。管理会社へ委託する「委託管理」方式では、委託料等が発生し様々な金銭的な負担が増大する可能性が高いと思われます。外部の専門家を顧問として招聘する場合は「顧問料」が発生しますが、管理会社への「委託料等」に比べ安価である可能性が高いです。
    ここ最近、外部専門家を顧問として迎え入れる管理組合が増えています。今まで自分たちで考え行動していたという「居住者の意向」を維持しながら専門家の意見を伺う形態になるので、「居住者の方々が目指す快適なマンションライフ」を実現する可能性が高いからです。管理会社への委託管理となると「管理会社任せ」や「管理会社の言いなり」という「居住者主義」から外れる可能性が高いのも一つの理由かと思われます。
    どの方法が「快適なマンションライフ実現」につながるか、理事会、総会等でご検討されてはいかがでしょうか。

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    1-Q6.
    当マンションは、これまでかつこれからのマンション諸問題解決を行うため、外部専門家として、「マンション管理士」を顧問として迎え入れることが理事会で決定しました。どのマンション管理士に依頼するかが未定なので役員各々でマンション管理士を探しています、マンション管理士の選定ポイントについて教えて下さい。
  • 1-A6.
    ここ最近、マンション管理士事務所は徐々に増えています。選定のポイントですが、できれば、貴マンションから距離にして近い事務所がよろしいのではないでしょうか。急に何か相談したいことや、現場状況を見て欲しい場合は直ぐに駆けつけられるからです。次に、マンション管理士の経歴です。インターネットを利用しホームページを閲覧すれば、そのマンション管理士のプロフィールを把握できるのではないでしょうか。マンション管理の経験が豊富な方か、保有資格は何か、どの団体に所属しているマンション管理士かなどがわかると思います。あと、見落としがちなのが「マンション管理士賠償責任保険」に加入しているかどうかも選定ポイントの一つとなるのではないでしょうか。マンション管理士との顧問契約には、当然として「マンション管理士が管理組合に損害を与えた場合の賠償」についての条項が定められていると思います。よって、マンション管理士の助言指導によって管理組合に損害が発生した場合、マンション管理士に責任があれば、マンション管理士は、その損害を賠償しなければなりません。マンション管理士が賠償することになった場合、そのマンション管理士に資金力があれば管理組合は賠償されるのでしょうが、資金力がない場合は賠償されないことになりかねません。このような、「賠償事故」に備えてマンション管理士は「賠償責任保険」に加入するのです。
    因みに、当事務所は、万が一、管理組合に損害を与えた場合に備え「マンション管理士賠償責任保険」に加入しております。

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    1-Q7.
    当マンションも最近のマンション事情を考慮し、管理規約を変更して「ペット飼育可」にすることを検討してます。どのような点に注意して進めたらよろしいでしょうか。
  • 1-A7.
    ここ数年「ペット飼育可」をセールスポイントにしている新築マンションを多く見かけるようになりました。以前は、共同住宅=ペット飼育禁止というルールが当たり前のようになっていましたが、新築マンションの販売戦略として「ペットと暮らせるマンション」などのキャッチコピーをよく目にするようになりました。それでは、「ペット飼育可」のマンションは無条件にペットを飼う事ができるのでしょうか。
    答えは、必ず「条件付き」です。つまり、ペットを飼育するにあたっては、管理規約の他に「ペット飼育細則」を定めているのです。つまり、ペット飼育のルールが定められているのです。ペット飼育ルールの主な柱は「ペットが苦手な方をどのように保護するか。」なのです。つまり、ペット飼育者の権利を守っているのではありません。よって、「ペット飼育可」に管理規約を変更する際は、同時に「ペット飼育細則」を制定すべきだと思います。そして、「ペット飼育細則」は、「ペットが苦手な方をどのようにして保護するか」を目的として制定すべきだと思います。
    このような手順で、管理規約を変更すれば、組合員の皆様に納得が得られやすいのではないでしょうか。

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    1-Q8.
    当マンションの組合員の方が、理事会に知らせることなく、且つ掲示板等でお知らせを行うことなく専有部分のリフォーム工事を施工していました。このリフォーム工事に伴い、館内に騒音が響き、あるいはリフォーム資材搬入の為、エレベーターをある一定時間、独占的に使用され大変な迷惑を被りました。このような問題を未然に防ぐ方法についてアドバイスをお願いします。
  • 1-A8.
    マンション内のリフォーム工事に伴うトラブルは、ほとんどのケース、「無断」で行っていることが原因となっております。逆を言えば、予め、理事会「許可」を得たり、掲示板等で「お知らせ」を行っていれば、トラブルの大半は、防げるものと思います。しかし、管理規約等で「明文化」されていなければ、どのような手順で、「許可」「お知らせ」を行えばいいかわからないのも無理はありません。
    そこで、管理規約で、専有部分の修繕に関する条文、さらに、この条文を根拠として、実際の手順を示した「専有部分の修繕等に関する細則」を定めておくことをお薦め致します。「明文化」した「決まり」ということが、トラブル防止の重要な役割を果たします。

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    1-Q9.
    地震が発生した後、被災マンションの復旧問題がクローズアップされます。
    震災により、損壊、倒壊等の被害を受けた場合の対処について教えて下さい。
  • 1-A9.
    大地震が発生し、住んでいるマンションが被災すると、ほとんどの方は、何から手を着けたらよいか、判断がつかなくなり戸惑うばかりではないでしょうか。しかし、戸惑ってばかりでは、時間が過ぎるばかりで当然に復旧は進まないと思います。そこで、このような緊急事態にも冷静に対応できる仕組みを常日頃から管理組合では構築しておかなければなりません。この仕組み構築の核となるのが「理事会」であり、この「理事会」から「専門委員会」を構成しあらゆる事態に対応できる手順を決めておくことが重要です。そして、組合員一人一人の自覚も促していくことも重要です。「当マンションは、管理会社に委託しているから、管理会社がなんとかしてくれる。」という「人任せ」的な考えは、緊急事態から復旧着手まで進むのに大変な時間がかかります。
    熊本地震では、自主管理で管理組合活動が活性化しているマンションがいち早く復旧に向けて進んでおり、「管理会社お任せ」マンションは、復旧が大変遅れているとの情報があります。さらに、マンション管理新聞に、受託戸数上位10社の管理会社による被災マンションへの支援状況についての記事では、支援状況について「非公表」となっている管理会社がありました。この管理会社は、北九州市にも営業拠点があり受託棟数も多い会社です。公表している会社が大半なのに「非公表」としているのは、公表できないような支援状況であると推測できます。
    管理組合運営は、組合員主体となって活動することが重要であり、管理会社、専門家も頼りになる会社、人を選ぶことも重要です。

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  • 1-Q10.
    最近、「民泊」の話題をよく耳にします。この「民泊」について、管理組合でも取り組みを行った方がよいでしょうか。
  • 1-A10.
    宿泊施設の補填のために、「民泊」、いわゆる、本来、宿泊施設ではないのに宿泊施設のように利用できる法律(住宅宿泊事業法)が施行され、全国的に「民泊」施設がひろがりつつあります。「空家」を利用して「民泊」施設になっています。一戸建や賃貸マンションでは、分譲マンションにあるような「管理規約」が存在しないため、法律要件を満たせば特に問題になることはありませんが、分譲マンションにおいては、「管理規約」の中で、「専有部分の用法、用途」の規定があり、その規定の中で標準管理規約では「専ら住宅として使用」という文言があるため、「民泊」の用に供してはならないという事になります。しかし、住戸を空家にしているためその住戸を「民泊」の用に供したいという要望を出される組合員の方が増えてきた場合には、管理組合として協議する必要があると思います。
    問題となるのは、法律を無視した無許可民泊、管理規約を無視した無断民泊への対応です。無許可民泊の場合は、旅館業法違反による行政への通報が有効と思われます。無断民泊の場合は、共同の利益違反行為として、「差し止め請求」「使用禁止請求」を総会に諮るなどの対応が必要となると思われます。

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  • 1-Q11.
    最近、「管理不全マンション」という言葉を耳にします。「管理不全マンション」というのは、どんなマンションなのでしょうか。
  • 1-A11.
    「管理不全マンション」という言葉には、定義というものは存在しませんが、管理の状態が著しく悪いマンションということだと思います。
    マンション管理と言ってもその内容は、多岐に渡りますが大きく分けて三つの管理があると思われます。一つ目は、「物の管理」、すなわち建物他諸設備の管理です。具体的には、外壁、内壁、屋上、共用廊下など建築に係る部分が、経年劣化により、ひび割れ(クラック)や爆裂などでタイルやコンクリートが剥がれ落下すると当然修繕を行わなければなりません。あるいは、剥がれ落下の予兆が見られた場合には予防策を講じなければなりません。また、諸設備については、給水設備が故障すれば当然、水の使用ができなくなりますし、消防設備が機能しなければ、火災が発生した時には「助けられた命」を助けることができず「大惨事」を招く事になります。また、エレベーターもメンテナンスをしなければ、作動不良を誘発し日常生活に支障をきたす結果となりかねません。
    つまり、「物の管理」は、日常生活に直接関わってくることが多く、「日々の点検、適宜の修繕」が重要となってきます。二つ目は「お金の管理」です。マンションには、共用灯、給水ポンプ、エレベーターなどは、当然、電気を使って作動しています。この電気には、当然、「使用料」が発生する為、電力会社にその「使用料」を支払わなければなりません。この「使用料」は誰が払うのかは、「管理組合」が支払う事になります。つまり、マンションの所有者=管理組合員一人一人に支払い義務があります。また、清掃等で使用する散水栓、立水栓の水道使用料、集会室等にガス設備があれば、ガス使用料の支払い義務者も管理組合となります。また、上記で述べた「物の管理」に係る「点検費、修繕費」も管理組合が負担しなければなりません。このような、「費用」を贖うため、管理組合員一人一人は、「管理費」を納めなければなりません。この「管理費」の徴収状況、「費用」の支払い状況の管理が必要となります。三つ目は「人の管理」です。「何号室の区分所有者は誰なのか、誰が管理費の支払者なのか」など金銭に係る部分、「ペット飼育禁止の規約があるにも関わらず、ペット飼育をしているため、注意を促す。」「駐車区画以外の場所に迷惑駐車をする人に注意を促す。」など日常生活のマナーに係る部分など、共同生活における利益の保全を行って行かなければなりません。この三つの管理が不十分となると、「快適なマンションライフ」とはほど遠いものとなる可能性が高いと思われます。「管理不全マンション」は、一日にしてならず、管理に関して「他人任せ」「無関心」の方が増えてきて、時間が経過するにつれて徐々に「管理不全マンション」に近づいていっているのです。「管理組合が機能しない」「総会、理事会が開催されない」「特定の組合員だけで管理組合運営」「管理会社任せ」に一つでも当てはまる項目があれば、それは、いずれ「管理不全マンション」となる可能性を秘めています。「管理不全マンション」の予兆を感じたならば、早めに、専門家を招き「マンション再生」を図ることが望ましいと思われます。

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    1-Q12.
    自主管理のマンションに住んでいます。「日常点検」は、どのような事を行えばよろしいでしょうか。
  • 1-A12.
    日常点検は、建物内、敷地内を巡回します。安全を確認できれば屋上も行った方が望ましいです。点検方法は「目視」です。具体的には、以下の通りです。
    • 【一、電気設備】
      • 共用灯は球切れ、消耗していないか。
    • 【二、躯体、屋上】
      • 外壁、共用廊下、内壁にひび割れ、爆裂はないか。
      • タイルは、剥がれ落ちていないか、膨らみはないか。
      • 打診棒があれば、打診してタイル、外壁、内壁に浮いたような音はしていないか。
      • 打ち継ぎ目地のコーキングは劣化して硬化しひび割れしていないか。
      • 屋上の防水シートに膨らみ、破損はないか。抑えコンクリート(シンダーコンクリート)にひび割れはないか。
      • 収縮目地に破損はないか。
    • 【三、消防設備】
      • 消火器は、表示の位置に設置されているか。
      • 自動火災報知機受信盤に、異常を知らせる表示灯は点灯していないか。
      • 消火栓、非常電源、発信機の設置場所にある表示灯(赤灯)は球切れしていないか。
      • 消火栓、連結送水管付近で漏水している様子はないか。
      • 呼水槽、消火水槽は、満水、減水の状態でないか。定水位であるか。
    • 【四、給水設備】
      • 受水槽壁面及び周辺配管より漏水していないか。壁面にひび割れはないか。マンホールの蓋は施錠されているか。水位は正常か。水に濁りはないか。異臭はしていないか。異物は混入していないか。電極棒は折れていないか。
      • 高置水槽壁面及び周辺配管より漏水していないか。壁面にひび割れはないか。マンホールの蓋は施錠されているか。水位は正常か。水に濁りはないか。異臭はしていないか。異物は混入していないか。電極棒は折れていないか。
      • 給水ポンプ作動時、異音はしていないか。焼け焦げたような臭いはしていないか。ポンプ廻り及び周辺配管より漏水はしていないか。逆止弁(水の逆流を防止する弁)は機能しているか。
      • 給水ポンプ制御盤に異常を知らせる表示灯は点灯していないか。配線に焼け焦げたような跡はないか。
    • 【五、エレベーター設備】
      • 正常な位置で停止し、扉は開閉しているか、正常に昇降しているか。表示ボタンにいたずらはされていないか。作動時、異音はしていないか。
    • 【六、その他】
      • オートロック扉は正常作動しているか。作動時、異音はしていないか。オートロック操作盤は、正常な状態か。
      • 風除室出入り口扉、各階の鉄扉の開閉速度は正常か、正常に開閉できているか。建付けに異常はないか。
      • 鉄部の錆の状況はどうか。
      • ガラス部分にひび割れはないか。
      • 留守番ロッカーに長期保管の荷物はないか。タッチパネルの液晶は正常か。
      • 集合郵便受の蓋は全戸正常に取りついているか。
      • 駐車場で水溜まりができやすい場所はないか。
      • インターロッキングは、凸凹になっていないか。
      • 植栽は枯れていないか。枝は伸びすぎていないか。
      • 建物内、敷地内の清掃状態は良好か。
    以上、マンションによって諸設備の違いはありますが、上記の内容について点検を行い、不具合個所は修繕を行えば良好な管理状態を維持改善できると思われます。

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    1-Q13.
    当マンションの居住者に、エントランスホールで喫煙し、その吸い殻を床に捨て、その他、ペットを共用廊下等でロープを繋がずに放したままにする方がいます。
    先日、そのペットが他の居住者に飛びつき、ペットから飛びつかれた居住者はペットが苦手な方で、大変、迷惑そうな感じでした。
    このようなマナーの悪い居住者に対しどのような対応を行ったらよいでしょうか。
  • 1-A13.
    建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)第6条1項に「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。」と規定されています。相談にある居住者の行為は、まさに「共同の利益」に反する行為と言えるでしょう。
    この居住者に対し、一次的には、被害者、あるいは理事会として直接注意を行うことになると思います。注意を行ったにもかかわらず、その有害な行為を止めない場合には、二次的には、区分所有法第57条に基づく「共同の利益に反する行為の停止等の請求」決議の為の総会を開催することになります。つまり、個人、理事会としての注意→団体(管理組合)としての注意となります。
    このように、「総会」まで発展しないようにし全居住者が「快適に暮らし続けられる」ようにするには、管理組合としてのマナー遵守が不可欠となります。このマナーに関しても、違反者がマナー違反として認識しているかどうかも問題となりますので、年に一度の通常総会や書面掲示等で全居住者のマナー意識の統一、合意形成を企図していくことが望ましいと思われます。

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    1-Q14.
    自主管理マンションの理事長をしています。
    総会を開催するにあたり、全組合員に配布する書面には、どのようなものがありますか。
  • 1-A14.

    総会を招集するにあたっては、以下のような書面がありますのでご参考にしていただければと思います。
    招集通知:総会の種類が通常総会か臨時総会かを記載します。
    通常総会・・年に一度、必ず開催しなければならず、主な議案は「決算報告、予算案」です。
    臨時総会・・特別に、全組合員の賛否を問わなければならない議案が発生した時に開催します。
    いつ(総会日時)どこで(公民館、市民センター等)開催するか記載します。
    どんな議案を審議、決議するのかを記載します。

    議案要領:議案について特別決議(議決権総数、組合員総数の4分の3以上の賛成、5分の4以上の賛成)が必要な議案については、議案要領が必要とされていますが、普通決議(議決権数の過半数の賛成)の議案であっても議案要領を記載することが望ましいと思われます。
    議案要領は、通知を受けた組合員が賛否を判断する大事な資料となりますので、詳細にかつ簡潔に記載することが必要です。
    特別決議が必要な議案は以下の通りです。

    • 規約の制定、変更(影響を受ける組合員の承諾も必要)
    • 敷地及び共用部分等の形状又は効用の著しい変更
    • 建物の価格の2分の1を超える部分が滅失した場合の滅失した共用部分の復旧
    • 建替え決議(5分の4の承認)
      ※建替え決議の場合、以下の事項の通知も必要
    • 建替えを必要とする理由
    • 建物の建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持又は回復をするのに要する費用の額及びその内訳
    • 建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容
    • 建物につき修繕積立金として積み立てられている金額
    委任状:総会に欠席される方の為に準備します。誰に委任するかを定めていない場合、どのような扱いとなるかを記載します。
    議決権行使書:総会に欠席される方の為に準備します。議案毎に、賛成か反対かを記載して頂きます。
    その他:修繕工事の議案がある場合には、見積書、工事仕様書も添付した方がより組合員の方は、賛否について検討しやすいと思われます。

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  • 1-Q15.
    マンション1階居住者の専用使用部分にあたるテラス部分が新築当初から駐車場として使用されております。管理規約には、そのテラスの使用方法について明確な規定はありませんが、駐車場としての使用を中止させることは可能でしょうか。
  • 1-A15.
    マンション標準管理規約は、昭和57年に国土交通省(当時は建設省)より「中高層共同住宅標準管理規約」として業界団体に通達された事がはじまりで、随所の不備の補足、時代の流れに合わせて昭和62年、平成16年、平成23年、平成28年に改正を行ってきました。質問にあるような「専用使用部分」の用法についてもより明確になってきております。規約を明確にすることは、「縛り」を厳しくすることが目的ではなく、あくまでも居住者間の不満等を解消してトラブルを防止し快適なマンションライフを謳歌し続けていただくことなのです。
    質問の「テラス部分を駐車場に使用」ということについてですが、規約上に「容認」した規定もなければ「禁止」した規定もないとういうことであれば、新築当初から組合員が「暗黙の了解」をしてきたという解釈になると思います。また、専用使用者は、「規約違反」という認識もなければ、「駐車場」としての使用に関する「既得権」と解することになるのではないかと思います。この「既得権」を中止したいとすれば、建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)第31条1項の「規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすときは、その承諾を得なければならない。」に抵触するものと思われます。つまり、この専用使用部分の使用者が承諾しなければ、駐車場としての使用を中止することはできないのです。

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    1-Q16.
    管理組合役員をしています。ある居住者が、管理組合役員の執行に関する真実と異なる内容を不特定多数の居住者に言って回るなどの行動をし、誹謗中傷を受けています。どのような対応をしたらよいでしょうか。
  • 1-A16.
    管理組合運営を執行する役員の方は、一般組合員の批判とも言える異議、反対意見に悩まされていると思います。しかし、この批判も限度を超えれば、誹謗中傷に発展しかねません。このような、ケースについて以下に判例(最高裁第三小法廷平成24年1月17日)があります。
    「特定の区分所有者個人への攻撃が、正当かつ円滑な管理組合運営の進行を妨げ、管理組合役員に就任しようとする者がいなくなるなど、管理組合運営が困難になる事態を招く可能性がある場合には、区分所有法第6条1項に規定する『共同利益背反行為』にあたる。」とされています。
    区分所有法第6条1項とは、「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。」という条文です。さらに、区分所有法第57条は、「区分所有者が第6条1項に規定する行為をした場合又はその行為をするおそれがある場合には、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、区分所有者の共同の利益のため、その行為を停止し、その行為の結果を除去し、又はその行為を予防するために必要な措置を執ることを請求できる。」と規定されています。
    質問にある「誹謗中傷」の限度が客観的見地から限度を超えている場合は、上記のような法的措置も理事会で協議してはどうでしょうか。

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  • 1-Q17.
    私が住んでいるマンションは、築年数30年を超えました。
    今までに修繕は行ってきましたが、この先、修繕をしながらマンションを維持管理して住み続けていくのか、建替えを検討するのか、将来の方向性が定まっていません。
    今後の展望を定める上でのアドバイスをお願いします。
  • 1-A17.
    マンションは築年数30年を超えますと、マンション諸設備の修繕項目が増えていきます。一般的に必要とされている修繕工事の内容として、「給排水管の更生・更新(取替)工事」や「ガス配管の更新工事」、「電気配線、電気機器の更新工事(通信設備含む)」などが挙げられます。但し、この諸設備の修繕工事が必要なのか、診断を行うことが必要です。修繕工事は時期が到来したら行うのではなく、診断を行ってから適時に行うものなのです。診断を行わずして修繕工事を行う事は、「診察、検査せずして手術を行う」ことと同じようなものなのです。
    次に建替えについてですが、建替え決議は、区分所有法、標準管理規約では、組合員総数の5分の4及び議決権総数の5分の4の賛成が必要です。
    さらに2か月前に総会招集を通知し、議案説明書に、
    ①建替えを必要とする理由
    ②建替えをしないとした場合における当該建物の効用の維持及び回復(建物が通常有すべき効用の確保を含む。)をするのに要する費用の額及び内訳
    ③建物の修繕に関する計画が定められているときは、当該計画の内容
    ④建物につき修繕積立金として積み立てられている額の4項目を記載しなければなりません。
    その上、少なくとも総会開催1ヶ月前までに、当該招集の際に通知すべき事項について組合員に対し説明を行うための説明会を開催しなければなりません。建替えについては、決議については上記のような煩雑な手続きが必要になりますが、決議に至るまでに、資金計画、建替え建築中の仮住まいなど解決しなければならない問題は多岐に渡ります。しかし、建替えた場合は現在の住まいを超える「快適な住まい」になるのではないでしょうか。
    今後の住まい方を検討するための「専門委員会」を立ち上げ、方向性毎に問題点を整理し、どの方向性が組合員全員の合意形成を構築できるか協議していくことが望ましいと思います。

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    1-Q18.
    先日、総会で「管理組合会計と自治会(町内会)会計は一緒にしてはどうか。」という意見がありました。
    「管理組合会計」と「自治会(町内会)会計」を一緒にすることはできるのでしょうか。
  • 1-A18.
    管理費の使途は、標準管理規約では以下のように定められています。
    ①管理員人件費
    ②公租公課
    ③共用設備の保守維持費及び運転費
    ④備品費、通信費その他の事務費
    ⑤共用部分等に係る火災保険料、地震保険料その他の損害保険料
    ⑥経常的な補修費
    ⑦清掃費、消毒費及びごみ処理費
    ⑧委託業務費
    ⑨専門的知識を有する者の活用に要する費用
    ⑩管理組合の運営に要する費用
    ⑪その他第32条(管理組合の業務)に定める業務に要する費用{次条(修繕積立金)に規定する経費を除く}
    管理組合は、建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)第3条に基づき、区分所有者全員で構成される強制加入団体です。
    管理組合の目的は、区分所有者間の共同の利益を増進し、良好な住環境を確保することです。
    自治会(町内会)は、集落又は都市の一部分(町)において、その住民等によって組織される親睦、共通の利益の促進、地域自治のための任意団体・地縁団体です。つまり、自治会(町内会)への加入は任意であるのに対し、管理組合への加入は強制という点で大きく異なります。
    各居住者が各自の判断で自治会又は町内会等に加入する場合に支払うこととなる自治会費又は町内会費等は、地域住民相互の親睦や福祉、助け合い等を図るために居住者が任意に負担するものであり、マンションを維持・管理していくための費用である管理費等とは別ものであるため、当然にして「管理組合会計」と「自治会(町内会)会計」とは分けるべきです。

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    1-Q19.
    現在、住んでいるマンションの理事長をさせていただいております。
    理事会の役割について教えて下さい。
  • 1-A19.
    総会は組合員の「最高意思決定機関」ですが、理事会は「執行機関」という事になります。
    政治の仕組みに例えれば、「総会」は「国会」、理事会は「内閣」ということになります。よって、理事長は「内閣総理大臣」その他の理事は各種「大臣」ということです。
    「監事」は「司法(裁判所)」ということになるでしょう。
     具体的な理事会の業務とは以下のようなことです。
    • 総会で承認された予算の執行(修繕工事発注、物品購入等)
    • 管理規約、各種細則で規定されている各種申請等の協議、決定。
    • 管理規約、各種細則で規定されている権限内の業務。
    また、総会は、Yes、Noを決める決定の場ですが、理事会は、総会で賛否を諮る為の「案」を協議、決定する場なのです。様々な管理組合内の問題に対応していくため、理事会は専門委員会を設置し、外部専門家を活用することもできます。
    理事会で決定するには、懸念、疑義がある場合には、「総会において諮る。」という結論としてもよいと思います。

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 ②管理費等滞納者対策について

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    2-Q1.
    管理費等の滞納者がおり、回収に苦労しております。
    何か良いアドバイスをお願いします。
  • 2-A1.
    管理費等滞納者問題は、多くのマンションが抱えている問題であり、滞納額が多い為に、修繕費の捻出に影響しているマンションもあるようです。
    滞納者対策は大変時間がかかりますが、放置することが一番の大敵であることを認識しなければなりません。管理費等の支払いの義務は消滅時効により回収不能となる可能性があるからです。具体的な方法については、状況を聞き取りしながら解決に向けて努力したいと思います。

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    2-Q2.
    当マンションの組合員の方が、お亡くなりになりました。この方は、一人暮らしであり、配偶者はなく、同居していない二人の子供さんがいました。
    管理組合内で問題になっているのは、この方は、管理費等に滞納があり、さらに、当マンションを今後所有される方が決まっておりません。本件における管理費等滞納問題解決、今後発生する管理費等の支払者について、ご回答お願いします。
  • 2-A2.
    ここ最近、「相続」の問題は多岐にわたり様々な場面で起こっています。
    今回のご質問は、親の家を誰が所有するか、誰が管理するか、相続人間で決まらないというケースです。滞納管理費等は、被相続人の生前に発生した債務で相続財産となります。この債務は可分債務となるので、相続人がそれぞれの相続分について負担することとなります。
    このケースでは、法定通り相続したのであれば、管理組合としては、二人の子供さんにそれぞれ滞納管理費等の各2分の1ずつを請求することとなります。次に、被相続人の死亡後の管理費等の請求方法についてですが、死亡後の管理費等は不可分債務となりますので、管理組合は、二人の子供さんの何方にでも全額請求することができます。
    請求された子供さんは、「月々の半分を払うので、残り半分はもう一人の相続人に請求して下さい。」という抗弁を管理組合に対して行うことはできません。このような問題は、今後増えてくると思われますので、常に管理組合での対応は準備しておかなくてはなりません。

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    2-Q3.
    現在、分譲マンションに住んでおり、年金で生計を立てています。先日の総会にて、将来の修繕に備えるため、修繕積立金の値上げが決定しました。
    この値上げは、年金暮らしの私には大変な負担となり、近いうちに管理費等が払えなくなり、滞納者として管理組合に迷惑をかけてしまうことに不安を感じています。滞納者として、管理組合に迷惑をかけないようにするにはどのような方法があるのでしょうか。
  • 2-A3.
    高齢化社会が進行し、分譲マンションに住んでいる高齢者は、年金収入の内、管理費等の支出に占める割合が高くなる可能性が予想されます。質問者の方のように、このままでは管理費等は払えなくなり、滞納者として管理組合に迷惑をかけてしまうのではないかと不安を抱える方も増加する可能性があると思われます。マンションを売却しても住み替え先の住居費の負担が軽減できる可能性は低く、この問題解決は難しいものです。このような問題解決の一つとして、金融機関が取り扱っている商品、あるいは地方自治体が制度として、マンションに住み続けながらお金の不安を解消する「リバースモーゲージ」というものがあります。
    リバースモーゲージとは、自宅マンションを担保にして老後資金を受け取るローンです。自宅マンションを担保に入れて、金融機関、地方自治体が承認した金額内で、年金ような形で定期的に資金を受け取ることができますので、増額した管理費等の月々の支払いに充当し滞納を回避できます。返済は基本的に契約者本人の生存中は必要ありません。弁済方法としては、契約満期または契約者死亡時に、一括返済するか、現金で返済できない場合は、金融機関、地方自治体が抵当権を行使するかです。抵当権行使後は、自宅マンションは競売となり完済となります。
    尚、この「リバースモーゲージ」についての詳細は、金融機関、地方自治体にお尋ねください。
    上記の方法は、あくまでも問題解決の一つの方法ですので、マンションを売却して親族の方と同居、あるいは、売却資金で負担金が少ない福祉施設への入居なども考えられます。質問者が自身にの意向に合った方法をお選び下さい。

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 ③大規模修繕について

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    3-Q1.
    大規模修繕の時期が迫っています。
    何から始めたらよいか、何をしたらよいか全くわかりません。
  • 3-A1.
    大規模修繕実施に向けて大事なのは、どのような工事を行うのかではなく、一番大事なのは、どのようにしてマンション居住者の皆様に納得していただくか、つまり、「合意形成」なのです。その「合意形成」に向けて様々な手法手段があります。当事務所の大規模修繕コーディネート業務は、この「合意形成」に向けての指南が主な役割となります。

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    3-Q2.
    当マンションは、築25年が経過し、2回目の大規模修繕を検討する時期が到来しました。
    1回目は、一部の居住者がほぼワンマン状態で実施しており、全居住者には、大規模修繕の内容も施工業者も決まった後に報告だけが行われ、協議、検討という事はしませんでした。今回は、「ワンマン」の状態を避けた形で行いたいと思いますので、アドバイスをお願いします。
  • 3-A2.
    質問者にあるような、管理組合運営に関し、よく「ワンマン」状態という話題は耳にすることがあります。特に、大規模修繕に関しこの「ワンマン」の中心人物が現れることが多いようです。この中心人物が「リーダー」として運営を行っていれば、何も問題も起こらないし、居住者からの不満も発生しないのでしょうが、「独裁者」となっている場合、数々の問題が発生し、居住者からの不満が爆発すると思われます。「リーダー」と「独裁者」、何が違うのでしょうか。それは、全居住者の意見に耳を傾け、意見を整理しまとめていく人と、居住者の意見にほとんど耳を傾けず、我を押し通して突き進む人の違いと思います。
    大規模修繕に限らず、管理組合運営で一番大事な事は、「合意形成」なのです。
    この度の質問にある大規模修繕の進め方についてですが、まず、大規模修繕実施に向けて修繕委員会発足を議題とした総会開催から始めることがいいと思います。全居住者の目線を同じ方向に向けることから始めるべきだと思います。修繕委員は、決して「修繕」の知識がある方だけがなるものではありません。むしろ、「修繕知識」は何もないけれど、建物の不具合(鉄部の錆、コンクリートのひび割れ等)を気にされている方、大規模修繕の工事内容に要望を抱いてる方(廊下の床面に塩ビシートを貼付する、階段部に手摺を取り付ける、エントランス床面を滑りにくい対策を行う等)など、日常生活の改善に興味を抱いてる方も修繕委員に選出される方が、よろしいと思います。
    修繕委員が決まったら、修繕委員会を発足させます。そして、修繕委員会のルールを決め、修繕委員会の役員選出(委員長、副委員長、書記)を行います。その後、大規模修繕について協議、検討していくこととなりますが、無計画に進めていくと、何事も決まらず時間だけが経過し修繕委員会が機能しない状態となります。いつの時期に着工するか、いくらくらいの予算で工事を行うのかなど、ガイドラインを決めていくことが必要です。そして、修繕委員会を月に何回開催するのか、いつまでにどんな内容を決めていくのか年間スケジュールを立てて行きます。また、修繕委員会を開催したら、全居住者にどのような内容を話し合い、どのような結果になったのか広報し、定期的に報告会を開催することも大切なことです。また、定期的に、スケジュールの見直しも必要になります。
    このような手順で、大規模修繕を進めていけば、「ワンマン」状態からの脱却となり、全居住者が納得した結果となるのではないでしょうか。
    当事務所の「大規模修繕コーディネート業務」は、「合意形成」を第一の目標として行っております。

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    3-Q3.
    築30年経過したマンションに住んでおります。当マンションは、数年前から、数件、給水管の不具合が原因で漏水事故が発生しており、給水管の劣化を感じております。マンション全体で何か対策を講じたいと思います。
  • 3-A3.
    長期修繕計画では、「給水管、排水管」の改修工事は、築27年~30年に計上されていることが多いです。つまり、このくらいの時期が到来すれば、配管材の劣化が著しく、配管の破損、特に配管と配管を繋いでいる「継手部分」の劣化は顕著です。具体的にどのような劣化状態かというと、錆が進行し、配管材、継手が脆くなり、配管に穴が開き、削れています。その穴が開いた部分、削れた部分から漏水しているのです。
    このような、漏水事故の対策としてマンション全体での取り組みとして、給水管改修工事を行います。給水管改修工事としては、配管を取り替える「更新工事」と、既存の配管を生かす「更生工事」があります。
    「更新工事」は、配管材を新規に取り替えていく工事ですが、既存の配管は、コンクリート躯体で隠れているため、多くの場合、コンクリートを破壊して配管を取り替えるのではなく、配管をコンクリート躯体の外に出して「露出」の形で配管していくこととなります。当然、今までと意匠が変わってしまうため、配管が極力目立たないように配管し意匠を壊さないようにします。この新規の配管材は、耐用年数が比較的長いステンレス管を使用することがありますが、ステンレス管は、材料費が高価です。さらに、従来の鋼管は、配管と配管を繋ぐ時はねじ込みで行いますが、ステンレス管を繋ぐ場合は、溶接となるため、高い技術が必要となります。このように、ステンレス管は、材料費が高価で、技術料も高いため、予算を十分に検討した上で採用する必要があります。
    「更生工事」は、既存の配管の内部に高圧をかけた砂を送り込み、配管内部の錆を削り取ります。その後、ライニング材(塩ビ)を流し込み、管内部をコーティングします。当然、「更新工事」に比べて工事費用は、安価です。また、給水管改修工事を検討する際は、従来の給水方式も同時に見直してはどうかと思います。つまり、高置水槽方式、加圧給水方式を採用しているマンションでは、「増圧給水方式」に変更することや、「受水槽」を経由せず「高置水槽」へ直接給水に変更することです。「増圧給水方式」にすると、水道本管から各戸へ直接水が供給されるため、「受水槽」「高置水槽」が必要なくなります。また、「高置水槽」へ直接給水となると、「受水槽」が必要なくなります。ただし、これらの給水方式変更については、可能かどうか調査が必要となりますので、調査の結果、不可能となる場合もあります。
    このように、築年数が経過すると、様々な修繕工事が必要となるため、専門委員会の設置が必要となり、さらにアドバイザーとして外部専門家を活用することも必要と思われます。

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    3-Q4.
    大規模修繕工事において、いわゆる「手抜き」というのはどのような箇所で行われていることが多いでしょうか。
  • 3-A4.
    大規模修繕工事では、居住者の目に付く場所は、比較的、丁寧に仕上げられております。しかし、居住者がほとんど見ることのない「屋上」よく見ないとわからない「サッシ廻りのシーリング」や打ち継ぎ目地などに「手抜き」が見られます。屋上では、防水工事の仕上げで行う「トップコート」の塗膜が雑に塗布されていたり、ゴミを除去せずにそのままトップコートを塗布して塗膜にゴミが混ざったままになっているなどの「雑な工事」を見かけることがあります。
    また、パラペット部分の塗料を薄く塗布し塗膜が薄くなった為、工事完了後、塗膜が剥がれている現場も見たことがあります。また、屋上に廃材をそのまま放置して工事完了しているケースもあります。「サッシ廻りシーリング」や打ち継ぎ目地は、古いシーリング材をすべて除去し新しいシーリング材を打ち直すのが、標準的なのですが、古いシーリング材を除去せず、古いシーリング材の上から新しいシーリング材を打っているケースもあります。
    このような、「手抜き」をさせないためには、中間検査、竣工検査がとても重要になってきます。業者によっては、「危ないから」などの口実を言って、「屋上」に立ち入らせないことがありますので、要注意です。これは、「屋上」を見られたら、不都合があるからだと思われます。

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  • 3-Q5.
    マンションの建替えは、どのように行われるのでしょうか。
  • 3-A5.
    全国的に見ても、分譲マンションの建替え事例は少しずつ増加傾向にあります。
    その建替えた分譲マンションは、旧耐震基準(昭和56年5月31日以前に建築確認を受けて建築したマンション)で建てられたもので、新耐震基準に適合させるには、その工事費用が莫大となるためだと思われます。
    それでは、分譲マンションの建替えは、どのような手順となるかですが、分譲マンションは、複数の区分所有者が存在しますので、当然、一人の意思でもって建替えを進めることはできません。また、委託管理であっても管理会社には、建替えに関する権限はないため、管理会社で勝手に建替えを行うことはできません。区分所有法第62条に建替え決議に関する規定があり、本条第1項に「区分所有者及び議決権の各5分の4以上の多数で決議することができる。」と定められています。
    つまり、区分所有者一人一人が主体となって「建替え」を進めていかなければなりません。しかし、「建替え」には専門的な知識等が必要となる為、外部専門家を招くことがほとんどです。よって、管理組合としては、「建替えに関する専門委員会」を立ち上げ、どのような方向で進んでいくか方向性を定め、次に外部専門家を依頼し、具体的なプロジェクトを進めていくことになります。

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    3-Q6.
    今、住んでいるマンションの大規模修繕の時期が迫ってきました。
    大規模修繕工事には、「責任施工方式」と「設計管理方式」があると聞いた事があります。どのような内容なのか教えて下さい。
  • 3-A6.
    大規模修繕工事を進めるに当たっては、管理組合内でたくさんの苦労と不安があると思います。多くの管理組合では、専門知識が不十分な方が多いのではないでしょうか。
    大規模修繕工事について多種多様な手段を使って、どんな工事なのか、どのくらいの費用を要するのか、どんな準備をしていけばよいのか調べると思います。
    調べる中で、「責任施工方式」「設計管理方式」という言葉を目にすることがあると思います。以下に、責任施工方式と設計管理方式について説明します。
    ①責任施工方式
    管理組合が管理会社や施工会社と契約し、建物診断から工事まで全て任せる方法。第三者のチェックがないため、工事品質が低く、費用が割高になる可能性がある。
    ②設計管理方式
    設計・工事監理と施工を分離発注する方法。管理組合は公募や管理会社の紹介で設計コンサル会社と契約し、コンサルが建物診断や設計をして工事仕様書を作成する。管理組合は、仕様書に基づき施工会社を公募し、見積書などから審査・選定する。工事監理は設計コンサルが担う。競争原理やチェック機能が働き透明性が高い。
    以上、2つの方法の説明をしましたが、一見、②の設計管理方式を採用して大規模修繕工事を進めていくことが良さそうな感じに見えますが、最近になって以下のような批評があります。

    ◎設計管理方式の批評

    その1)平成29年4月20日付毎日新聞の記事より抜粋

    大規模修繕工事を巡り、施工業者選びや仕上がりのチェックをするコンサルタントが、受注業者にリベートを要求して住民に損害を与えるケースが相次いでいる。事態を重く見た国土交通省は、住民に注意喚起するよう管理会社や管理組合の団体などに通知した。
    複数の工事関係者によると、一部のコンサルは格安の費用を管理組合に示して設計・監理を受注。施工業者を募る際、リベートを払うと約束した業者だけが見積りに参加できるよう条件を絞るという。選ばれた業者が管理組合に示す見積額にはリベート分が上乗せされる。談合によって事前に受注業者が決まっているケースも多い。
    ある施工業者の元社員は「受注していない管理会社が『場所代』として要求することもある」と話す。

    その2)平成29年10月1日付毎日新聞の記事より抜粋

    「大規模修繕工事で談合横行 工事費つり上げも」
    大規模修繕工事で、発注者の管理組合をサポートするはずの設計コンサルタントが談合に関与し、工事費がつり上げられるケースが相次ぐ。国土交通省も注意喚起して防止に乗り出した。
    設計コンサルは管理組合のサポート役のはずだが、バックマージンを払う施工会社が工事を受注できるよう工作する事例があるとする。施工会社はマージン分以上を工事費に上乗せするため管理組合には大きな負担となる。

    その3)マンション管理士会の勉強会において知った情報

    設計コンサルタントは、建築士が行っている。設計事務所は、建設会社から仕事を頂いているケースがほとんどであり、いわば、建設会社と設計事務所には主従関係が築かれていると思われる。
    大規模修繕工事において、施工会社が建設会社と関連がある場合などは、設計コンサルタントは、施工会社に対し強く意見を言えないことがあり、工事の品質を下げてしまうことがある。

    その4)私の自宅マンションのすぐ近くのマンションで起こった事例

    施工会社の元社員の話によれば、設計コンサルタントの診断調査により作成した工事仕様書の足場面積や補修箇所等の数量に著しい誤りがあったとのこと。この誤りの為に、工期が遅延した結果、管理組合に不快な思いをさせた。
    数量の誤りは、施工会社の事前調査で管理会社に進言したが、管理会社は聞き入れず、設計コンサルタントを庇うような姿勢であった。さらに、工期遅延は設計コンサルタントの数量ミス、管理会社の怠慢にもかかわらず、管理会社は施工会社に遅延損害金を要求し、管理組合に対しこれを支払わせた。
    また、施工会社元社員は、「管理会社、設計コンサルタントは、受注させたい施工会社があったようです。しかし、管理組合は我が社を指名したため、我が社に発注せざるを得なくなりました。だから、この結果を不愉快に思った管理会社は我が社に嫌がらせをしたのかも知れません。」と話した。

    このように、設計管理方式については、行政まで動くような事態となっています。被害を受けた管理組合としては、「信じた相手に裏切られた。」という事に失望したと思います。

    ◎私が提案したい大規模修繕工事の進め方は以下の内容です。

    私が大規模修繕コーディネート契約を頂いた管理組合では以下のような手法で大規模修繕を行いました。先に結論を申せば、組合員全員に不満、不平も抱かれることなく大規模修繕を終えることができました。

    ①修繕委員会発足

    修繕委員会発足にあたり、修繕委員会の目的、大規模修繕工事の概略、修繕委員会のスケジュール、工事金額の予算を協議しました。

    ②建物現状の把握、見積り・診断業者の選定

    建物の原状を把握するために、見積り・診断業者の選定を行いました。見積りと診断業者は分離しないようにし、業者は修繕が必要な箇所は全て計上して頂くようにし、提案工事がある場合は、その旨を別の見積書を提出して頂くようにしました。
    また、全組合員を対象に専有部分、共用部分の不具合箇所お尋ねアンケートを実施しました。
    業者の募集にあたっては、全組合員に働きかけて見積りと診断をして頂く業者を募集しました。裏工作を疑われたくないため、極力、私からの業者紹介は遠慮しました。

    ③見積り業者への指示

    業者には、見積り金額は実費精算とならず、施工時、見積り数量より多くなったとしても業者がその責任を負う事を説明し、図面貸出期間、現地調査の日程をお知らせしました。さらに、組合員から提出されている専有部分、共用部分の不具合アンケートを渡し、不具合個所把握して頂くようにしました。
    組合員より「数量は実際に施工してみないとわからないのではないか。」という意見がありましたが、「業者の実績による経験値から調査数量と施工数量を乖離しないように見積りできるのではないでしょうか。業者の腕の見せところではないでしょうか。」と説明したところ納得して頂きました。業者は、数量を多めにすれば見積り金額は高くなりますし、少なめにすると見積り金額は安くなりますが、採算の取れない仕事になる可能性があります。このような事情から、業者は調査と見積りにかなり真剣に取り組みます。

    ④見積り業者による全組合員に対するプレゼンテーション

    全組合員を対象に見積り・診断業者によるプレゼンテーションを行います。これは、全組合員にどんな業者が見積り・診断調査をしたのか、現在、建物はどんな状態なのか、どんな工事をするのか、どのくらいの金額となるのかを理解して頂く機会なのです。
    業者の説明時間が長すぎると、組合員の集中力が維持できないこともあるので、1業者30分くらいと時間制限を設けるようにしました。また、プレゼンテーション開催にあたり、参加できる業者は3社くらいに絞り、その選定に当たっては、全業者の見積書の提出が完了した時点で修繕委員会において協議、決定します。
    この業者選定については、私は主観的な意見を述べず、客観的な立場と管理組合の立場でアドバイスを行うようにしました。
    業者には、以下の内容でプレゼンテーションを行って頂きました。
    • 会社概要、沿革
    • 建物の現在の状態
    • 改修工事の手順、工法
    • 工事実績の紹介
    • 施工保証、会社消滅時(倒産等)の保証(保険に加入しているかどうか)
    プレゼンテーション終了後、全組合員に発注予定業者決定のためのアンケートを実施します。アンケート結果に基づき発注予定業者を決定しました。

    ⑤発注予定業者との協議

    修繕委員会において、発注予定業者と見積項目の精査と協議を行いました。協議内容は、以下の通りです。
    • 項目毎の工事の必要性
    • 追加工事項目と削除する工事項目
    • 修繕委員会発足当初に計上した予算とのすり合わせ、及び価格交渉
    すべての協議が終了し、工事内容、工事金額を決定しました。

    ⑥工事説明会

    修繕委員会で協議し決定した、工事内容、工事金額の報告を行い、発注予定業者による工事説明会を実施します。工事説明会は、2回以上行い全組合員に周知徹底するようにし、工事着工後「聞いていない」というトラブルをなくすようにしました。
    工事説明会終了後、全組合員に「大規模修繕工事に関する覚書(合意書)」に署名捺印を頂き、80%以上の組合員の合意が得られた段階で工事を発注し着工しました。

    ⑦タイル部分打診検査、中間検査

    施工業者には、着工前にタイル部分打診検査、中間検査を実施する旨を予め伝えました。施工業者から、検査可能な状況との連絡を頂いた後、修繕委員、施工業者、コーディネーターである私で中間検査を行いました。尚、タイル部分打診検査については、コーディネーターである私、一人で行いました。

    ⑧竣工検査

    前項目⑦と同様です。

    ⑨工事完了報告会

    全組合員を対象とした工事完了報告会を行いました。
    以上、大規模修繕の進め方、及びコーディネーターの関わりについて述べましたが、大きなポイントは、常に「合意形成」を意識する事です。たとえ面倒な事であっても省略、割愛はしないことです。コーディネーターは、あくまでも管理組合の補助者であり、主役は管理組合なのです。
    コーディネーターの主な役割は、大規模修繕を円滑に進め、全組合員の納得が得られるようにするための準備と提案を行うことなのです。最終的には、全組合員の方に快適なマンションライフを謳歌し続けて頂くことなのです。

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 ④管理会社の諸問題について

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    4-Q1.
    マンション管理組合の理事長をしております。先日、管理会社より「前任の担当者が貴管理組合の収納口座より金銭を不正に引き出し、私的に使用消費し横領をしました。横領した金銭については当社にて弁済致します。本件については、居住者全体の混乱を招く事態となりますので、内密にして下さい。」との報告がありました。理事長としてこのまま、管理会社の指示通りに従えばよいのでしょうか。
  • 4-A1.
    管理会社の指示通り全組合員に内密にしてはなりません。内密にしてほしいのは管理会社の都合だからです。早急に管理会社を外した形で理事会を開催し、組合員全員を対象にした管理会社の横領の事実を公表するべきです。金銭に関する不正は全組合員の知る権利であると思います。なぜなら、管理組合の収納口座は全組合員の財産だからです。更に、国土交通省(九州地方整備局)に届け出て、更に、検察庁にも届け出た方が良いと思われます。今後の管理組合の財産保全の為にも官公庁へ報告された方が良いと思われます。

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  • イラスト
    4-Q2.
    マンション管理組合の理事長をしております。先日、管理会社の担当者より「他のマンションの工事代金を一時的に立て替えて欲しい。2ヶ月後にその管理組合から返済されるから安心して下さい。」と言われ「払い出し伝票」と工事業者への「振込伝票」を持参してきました。私は、考える時間も与えられずに管理会社の担当者に言われるがまま銀行印を捺印させられました。このような行為は許されることなのでしょうか。
  • 4-A2.
    許されることではありません。管理会社社員の理事長に対する詐欺、及び管理組合の財産の横領行為と思われます。いわゆる「犯罪」です。理事長がこのような「犯罪行為」に巻き込まれた場合、あるいは巻き込まれそうになった場合は、他の理事に相談し「理事会」あるいは、全組合員を対象とした「総会」を開催するべきです。管理会社社員による金銭の犯罪は実際に発生しているのは事実です。理事に選任された方は、時折「疑いの目」も必要になりますので、一人で悩まずに理事会を開催し少しでも多く人の知恵でもって管理組合運営をされることをお勧め致します。

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  • イラスト
    4-Q3.
    先日、国土交通省のホームページを閲覧していたところ、現在管理業務を委託している管理会社が行政処分を受けておりました。この管理会社に対し何か注意することはありますか。
  • 4-A3.
    この管理会社は行政処分を受けた事実は全組合員に通知はあったのでしょうか。「標準管理委託契約書」の「第12条2項5号」に管理会社が行政処分を受けた場合は管理組合に知らせなければならないという「通知義務」があります。この「通知義務」を管理会社が履行しているかどうかが一つのポイントとなります。また、行政処分が発令された場合同時に再発防止策か掲げられておりますので、この再発防止策を管理会社が遵守しているかどうかもポイントとなります。さらに管理組合として行政処分を受けるような管理会社と今後、良好な信頼関係が維持できるかもポイントとなるのではないでしょうか。

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  • イラスト
    4-Q4.
    マンション管理会社は、「独立系」の管理会社が良いのでしょうか。
    それとも「デベロッパー系(マンション分譲主)」の管理会社が良いのでしょうか。
  • 4-A4.
    「デベロッパー系」管理会社は、そのデベロッパーの子会社だから、管理組合に対して「デベロッパー」側に立って対応するから、管理組合の味方をしてくれない、「独立系」は、デベロッパーとは無関係な会社だから管理組合側に立ち親身になってくれるのではないかという話をよく聞きます。果たしてそうでしょうか。分譲時から「独立系」の管理会社がセットされている場合、その「独立系」の管理会社にとって「デベロッパー(分譲主)」もお客様なのです。実際、「独立系」の管理会社の営業は、「デベロッパー」様は大切なお客様と口に出して発言しているのを聞いたことがあります。果たして「独立系」の管理会社は、デベロッパーと無関係な会社だから、一概に管理会社側に立ち親身になってくれるかどうかは疑義があります。「売ってしまったら手離れしたい。」と思っているデベロッパーもあるようです。また、デベロッパー(分譲主)は、「管理会社とはデベロッパーの盾である。」と発言しているようです。つまり、売った後の面倒は、管理会社で処理してデベロッパーに一切話を持ち帰らないで欲しいと宣言しているようです。
    その一方、「デベロッパー系」の管理会社であっても、ご縁あって当社のマンションをご購入いただいたお客様なのだから、「グループ一丸」でお客様をお世話させて頂き、快適に住み続けていただこうとしているデベロッパー、管理会社もあります。また、ご購入いただいたお客様はその後どのように暮らし続けているかを把握してもらう為に、デベロッパーから管理会社へ定期的に出向させているグループもあるのも事実です。
    つまり、グループの代表者の考え方が「デベロッパー」「管理会社」に反映されると思われます。新築マンション購入にあたっては、モデルルーム、販売担当者だけで決めず、どんな考えを持つグループなのかを調査された方が、気持ちよく購入でき、気持ちよく住み続けられるのではないでしょうか。
    よって、「独立系」の管理会社がよいか「デベロッパー(分譲主)系」の管理会社がよいか、答えはないということなのです。「管理会社」の良し悪しは「担当者」で7割は決まるのではないのでしょうか。残りの3割はその担当者を会社がどこまで後押しするかで決まると思います。

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  • イラスト
    4-Q5.
    管理会社の変更を検討しています。
    どんな点に注意したらよいか、教えて下さい。
  • 4-A5.
    今日、管理会社の変更を検討される管理組合も増加の一途を辿っています。
    管理会社の変更を検討するにあたって、まず、管理の態様も同時に検討された方が良いと思われます。管理の態様には「自主管理」と「委託管理」があります。次に委託管理の内、「全部委託管理」と「一部委託管理」があります。
    自主管理とは、管理業務をすべて、管理組合員で行うものです。会計から点検業務の発注、清掃業務の発注などを管理組合理事の方が自身で行います。管理費を抑えるという点では有効な態様ですが、理事に選任された方の負担は重いものがあるのではないでしょうか。そこで、理事の負担を少しでも軽減するため、外部の専門家を顧問として招いているのが最近の傾向です。
    次に「全部委託管理」ですが、これは、管理業務全てを管理会社に委託するものです。会計業務は管理会社で行っていますが、その他の業務は専門業者に再委託していることが多く、その再委託によって中間マージンが上乗せになるため、割高となります。しかし、管理組合理事の方の負担は軽くなります。
    「一部委託管理」とは、管理業務の一部を管理会社に委託するもので、この態様とした管理組合は「会計業務」のみを委託することが多いようです。
    ここ最近、「全部委託管理」であっても管理費を安くしている管理会社もあるようです。
    では、なぜ、安くできるのかについてですが、そのような管理会社は「当社は管理棟数が多いので、一つの業務を一つの業者に再委託し単価を落としています。」と説明しているのではないのでしょうか。確かにこの方法では単価を落とすことは可能です。
    しかし、その業者の業務の質はどうなのか若干の疑義があります。
    一例を上げれば、「消防点検は全戸、全設備完璧に終了させているのだろうか。」という点に疑義を感じます。消防点検は手間暇がかかり、居住者在宅が必要なケースがほとんどです。また、点検資格者が行わなければなりません。思うに、時間がかかる分、人数を多くしているか、点検している者が全員資格者なのか、不在住戸はどうするのかなどのチェックするポイントはたくさんあります。また、管理会社の社員は現場に立会にきているのかなどもチェックポイントです。
    他の点検業務、並びに修繕業務を実際に行う業者の質が大きなチェックポイントです。また、月々の管理費は安くても、突発的に支出する修繕費はどうなのかもチェックポイントです。
    管理費を安くした分、修繕費で取り戻す、あるいは、安く請け負っても再委託で更に安く発注しているなんてよくある話です。安く請け負った下請け業者は、どこかで調整しなければならなくなります。その調整が質の低下を招いていないかチェックする必要があります。

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  • イラスト
    4-Q6.
    先日、通常総会にて管理業務を委託している管理会社の担当者より、決算報告及び1年間の事業報告が行われました。その担当者に「管理業務主任者」であるかどうか尋ねたところ、「管理業務主任者ではない」つまり「無資格者」という回答でした。この担当者の行為は適法な行為なのでしょうか。
  • 4-A6.
    「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」(以下「マンション管理適正化法」という。)第77条に「マンション管理業者は、管理事務の委託を受けた管理組合に管理者等が置かれているときは、国土交通省令で定めるところにより、定期に当該管理者等に対し、管理業務主任者をして、当該管理事務に関する報告をさせなければならない。」と定められております。また、「説明の相手方に対し、管理業務主任者証を提示しなければならない。」と定められております。更に「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行規則」(以下「マンション管理適正化法施行規則」という。)第88条には「マンション管理業者は、マンション管理適正化法77条第1項の規定に管理事務に関する報告を行うときは、管理事務を委託した管理組合の事業年度終了後、遅滞なく、当該期間における管理委託契約に係るマンションの管理の状況について次に掲げる事項を記載した管理事務報告書を作成し、管理業務主任者をして、これを管理者等に交付して説明をさせなければならない。①報告の対象となる期間 ②管理組合の会計の収入及び支出の状況 ③前②号に掲げるもののほか、管理受託契約の内容に関する事項」と定められております。「マンション管理適正化法施行規則第88条②」に定められている「管理組合の会計の収入及び支出の状況」は、まさに「決算報告」に該当するものと解釈します。また「マンション管理適正化施行規則第88条③」は「事業報告」を指しているようです。
    つまり、「マンション管理適正化法第77条」「マンション管理適正化法施行規則第88条」でも、説明をするものは「管理業務主任者」を指定しています。つまり、「管理業務主任者」資格を有しない者は、説明を行ってはならないと解釈します。よって、ご相談いただいた管理組合が委託している管理会社は違法行為であるという結論です。
    なぜ、法律は「管理業務主任者」を指定しているのかは、「管理業務主任者」資格は、「国家試験」に合格し「管理業務主任者証」の交付を受けているもの、つまり、マンション管理に関する一定の知識を「正確」に把握しているからなのです。
    逆をいうならば、「無資格者」は、マンション管理に関する一定の知識を有してない者又は「知識の正確さ」が不足している者と捉えていいと思います。
    「道路交通法」を正確に把握してない者に国家は「自動車運転免許」を与えない事と同じと思っていいでしょう。担当者が「無資格者」ならば、管理組合は「無免許者」が運転する自動車に乗っているようなことかも知れません。

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    4-Q7.
    当マンションの一年に一度の通常総会において、「全住戸カメラ付きインターフォン更新」について審議したところ、決議するには不明な点が多く保留ということで後日臨時総会にて再度検討という結果となりました。後日、管理会社より「書面のみで決議します」との案内と「議決権行使書」が配布されました。その後、管理会社より「全住戸カメラ付きインターフォン更新については、議決権行使書の賛成数が過半数となりましたので、可決されました」との案内が配布されました。正しい決議の方法なのでしょうか。
  • 4-A7.
    本決議の方法は「書面決議」といい、総会を開催せずに行う方法です。この「書面決議」は、標準管理規約第50条5項に組合員全員の合意が必要とされています。つまり、1名でも反対があれば、否決ということになります。よって、ご質問の管理会社の回答は虚偽ということになります。要するに、否決の議案を組合員に可決されたと説明しているのです。
    このように、管理会社が本当に「管理のプロ」なのかどうかは、時として疑う必要があるのです。管理会社の業務、言動等に疑問、違法性を感じた場合は、九州地方整備局建政部マンション管理業係(TEL092-471-6331)へお尋ねしてはいかかでしょうか。

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    4-Q8.
    先日、当マンションは、管理会社施工にて「雑排水管高圧洗浄清掃」を実施いたしました。後日、管理会社より、「雑排水管高圧洗浄清掃」に関する「報告書」「請求書」が届きました。その請求書は、全戸分の請求金額でしたが、報告書を見てみると、数戸のお部屋で「雑排水管高圧洗浄清掃」を実施していない事が判明しました。管理会社に、未実施住戸の費用までなぜ、請求するのか尋ねたところ、「雑排水管高圧洗浄清掃」を事前にお知らせしているので、居住者が在宅するのは当然の義務であるので、全戸分請求するのに全く問題はないとの事で、全戸分の費用を支払わなければならなくなりました。納得いかない支払いでした。
  • 4-A8.
    本件の管理会社は、随分横暴な請求をしているようです。見積りの段階、発注前の段階で管理会社より、請求金額について説明があったかどうかが、まず一つのポイントとなります。つまり、全戸実施できない場合でも、全戸分の請求をする事になると説明を行ったかどうかです。このような、工事等の請求について金額のトラブルは、些細なケースを含めれば後を絶ちません。ほとんどのケースは、管理組合が何を確認しなればならないかが不明だったということです。思うに、良心的な管理会社、工事業者は、予めトラブルになりそうな項目を予想して親切な説明を行います。そして、相手方の不安を取り除き、納得の上で受注し施工します。悪質な業者は、説明が不十分で、請求だけはしっかりと行います。また、悪質な管理会社は、管理組合には全戸分を請求し、下請け業者には未実施住戸の金額を差し引いて支払いをしているようです。
    このようなトラブルに巻き込まれないためにも、専門家を顧問に迎える事をお薦め致します。

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  • イラスト
    4-Q9.
    当マンションは、管理業務を管理会社に全部委託しています。先日、当マンションは、法定の消防点検を実施致しました。平日に実施した為か、不在が多く、部屋の中に入って行わなければならない感知器(煙、熱)、避難ハシゴの点検が行われなかった住戸がありました。このような点検状況なので、もし点検を実施していない住戸で火災が発生し消防設備が正常に作動せずに、犠牲者が出たらと思うと不安になります。
  • 4-A9.
    消防設備は、皆様の生命に関わる重要な設備と思います。火災の際に消防設備が正常に作動するからこそ、助けられる命は助かるのではないかと思います。だから、消防設備は常に正常作動するように正常な状態を維持しなければなりません。正常な状態を維持するために消防設備点検が法律で定められていると思います。この管理会社は、「命を守る」という意識はあるのでしょうか。若干疑問があります。全消防設備が点検できるようにどんな工夫をしているのかについても疑問があります。消防設備の重要性を考え、全消防設備を点検する為には、在宅が多い日を点検日とするか、あるいは、やむを得なく不在となる居住者の場合には、理事会の協力を得るなど、いろんな工夫と努力があると思います。

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  • 4-Q10.
    当マンションでは、総会(通常総会、臨時総会)において、管理会社社員が勝手に議長を務め、議事進行を行っております。管理会社の言い分は、「議事がスムーズに進み、時間短縮となり組合員皆様にとって有益である。」ということです。この管理会社社員の行為は許される事なのでしょうか。
  • 4-A10.
    標準管理規約第42条5項において、「総会の議長は、理事長が務める」と定められております。この管理会社社員は、この管理規約の規定について説明があったのでしょうか。管理会社社員なら当然に知っていて当たり前の「標準管理規約」なのですが。本件において勝手に議長を務めている状況を考えれば、「管理のプロ」としてあるまじき行為です。つまり、「許される行為ではない。」という結論です。
    では、なぜ、管理会社社員は議長を勝手に努めようとするのか。それは、管理会社にとって不都合な質問をされないようにし、あるいは、組合員の方に考える余裕を与えないうちに総会を終わらせたいとの意図があるからだと思います。
    このような管理会社社員の横暴を許さないように何か手立てはないのか。それは、組合員一人一人がマンション管理について興味を持ち、自分達の財産は自分達で守っていくという意識を高めることだと思います。そして、意識が高まった後には、マンション管理について正しい知識を学び、適正なマンション管理を行っていくことだと思います。
    マンション管理について正しい知識を学ぶには、適正なマンション管理を行うには、マンション管理の専門家「マンション管理士」がお手伝いをさせて頂いております。「マンション管理士」を上手に利用し、いつまでもマンションライフを謳歌し続けていただきたいと思います。

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  • イラスト
    4-Q11.
    あるマンションにて理事長をしております。最近、発生した事案ですが、マンション出入口付近に消防隊が火災の時に使用する「連結送水管送水口」に取り付けてある「送水口キャップ」が何者かに取り外され盗難されました。送水口に悪戯で異物を入れられては大変なことになると思い管理会社に連絡しました。担当者は、すぐに対応し「送水口キャップ」は取り付けられました。その後、「送水口キャップ取付料」の請求が送られてきました。ここまでは、問題は何もないのですが、この費用は、盗難によって発生したものであるから、管理組合で問当無用に費用負担するのは納得がいかず、管理会社担当者に尋ねたところ、「災難なことですが、費用負担は仕方のないことですよ。」との回答でした。
    なぜか、納得のいかない事案なのでアドバイスをお願いします。
  • 4-A11.
    マンションの諸設備を不可抗力によって、破損、盗難などよく聞く話です。諸設備の破損、盗難後の原状回復には費用が発生します。しかし、何かこの費用負担に納得いかないのは理解できます。この費用を贖うのを目的としたのが共用部分に付保する「損害保険」なのです。「住宅総合保険」という商品名になっていると思います。共用部分に保険を付保するのは、標準管理規約「第24条」「第32条1項7号」に定めがあります。今、付保してある「損害保険」にこの「盗難」が担保されているかを「保険証券」で確認された方がいいと思います。
    この共用部分に付保している「損害保険」は、様々な場面で適用されることがあります。例えば、強風でエントランス扉が煽られてガラスが割れたり、扉が変形した場合や近くの川が氾濫し共用部分が浸水した場合、落雷でマンションの電気設備に支障をきたし機能不全となった場合、悪戯でオートロック操作盤や留守番ロッカーが壊された場合の復旧費用などが「保険金請求」の対象となっている場合があります。
    管理会社が「損害保険代理店」となっていることがありますが、質問の中に出てくる「管理会社担当者」では、とても信頼できないし、随分「お粗末な対応」なのではないかと思われます。保険金請求の手続きは、とても手間がかかり面倒な作業ではありますが、管理組合のことを思えば、「やるべき」作業「やって当たり前」の作業なのです。
    このように、「この管理会社のこの対応、何かおかしい」と疑義を感じたら、当事務所にご相談いただければと思います。

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  • 4-Q12.
    先日、管理会社より、駐輪希望者の募集が掲示板掲示で行われました。募集期間は、管理規約により1週間程度となっています。
    実際は、
    初回:丁度7日間でした(管理会社が設定)
    変更1:初回〆切の4日前に理事会指示で14日間に変更(変更理由の記載なし)
    変更2:変更1の〆切3日前に理事会指示で21日間に変更(変更理由記載有)
    又、駐輪の資格は、「保有し利用する者」と管理規約に明記されていますが、変更2の理由は、これから購入する方もOKとなっていました。つまり、保有していないことになります。この様に、理事長及び理事会の意向で「管理規約」は変更できるのでしょうか。
    • 募集期間1週間程度→管理規約
    • 使用制限があり居住者+保有、使用する者→バイク置場使用細則にそれぞれ記載されています。
    ”募集期間及び、保有していなくても良い”の変更について、
    • 当マンションの管理会社の担当(マンション管理士の有資格者)に確認した結果
      →「理事長、理事会の指示なので管理会社としては従わざるを得ません」
    • 理事長への確認結果
      →「理由があれば変更しても良い」とのことでした。(このマンションは未だ新しく、順番制・くじ引きで割り当てられる理事長なのでどこまで理解されているのか疑問ではあります。)
    ご見解を賜りたくよろしくお願いいたします。
  • 4-A12.
    「管理規約」「バイク置場使用細則」は、理事会の決議では、変更できません。
    「管理規約」の変更は、区分所有法第31条1項により、「区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によってする。」となっています。つまり、理事会の指示は、無効となります。さらに、この条文は管理会社社員、ましてや「マンション管理士の有資格者」ならば、当然、把握しているもので、いくら、理事会の指示であっても、管理会社担当者、ましてや「マンション管理士有資格者」ならば「法律違反」を進言すべきことなのです。
    「バイク置場使用細則」であれば、 細則中に、「細則の改廃」という規定があり、「細則の変更又は廃止は、総会の決議を経なければならない。」などと規定されているものです。 いずれにしても、「総会」を開催し賛否を問わなければならないということなのです。
    また、管理会社担当者の回答にも疑義を感じます。「管理会社として、理事会の指示に従わなざるを得ない」との回答でしたが、これは、「理事会の顔色を窺い管理会社と管理組合との関係を無難に行おうとしている。」ように思えます。
    また、管理会社担当者は、「マンション管理士事務所として独立している方は、現場を知らない方が多いんですよ。」と言っているように思えます。理事会の指示に従わざるを得ないという回答は、何か不都合が起これば、すべてを理事会に責任転嫁し管理会社の責任を回避する準備していることと思われます。
    管理会社担当者、ましてや「マンション管理士有資格者」ならば、理事会の指示が、後にトラブルが発生する可能性を感じたならば、そのトラブルを解消すべき手段、提案を行うべきものと考えます。その提案を行ったにもかかわらず、理事会が強行したならば、その時初めて理事会が責任を負うものと思われます。
    管理会社担当者が、「マンション管理士として独立している方は、現場を知らない方が多い。」と、万が一、発言しているとしたら、管理会社担当者の真意は、「自己の優位性」を誇張し、「マンション管理士」に相談させないように、ましてや「マンション管理士有資格者」の管理会社担当者ならば、「私が申していることは全て正解であるので、他のマンション管理士に相談する必要なんてありません。」と言っているのではないでしょうか。
    「マンション管理士事務所」に相談するのみならず、他の管理会社にも相談をされてはいかがでしょうか。

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 ⑤損害保険について

  • イラスト
    5-Q1.
    マンション保険の更新の時期が近づいてきました。
    保険加入についてアドバイスを頂きたいのですが。
  • 5-A1.
    保険で一番重視したいのは、「補償範囲」です。つまり、「どのような」事故に対して「保険金」が支払われるのかということです。また、「どのような」事故の場合には「保険金」が支払われないかということも確認が必要です。保険に関するトラブルは、「保険金」に関する事案が一番多いと思われます。安易に、「保険料」の安い保険に加入後、事故が発生し「保険金」請求したが「補償対象外」で「保険金」は支払われなかったなどが代表的な例です。また、「保険料」が安くて「補償範囲」が広い保険商品をと考えられておられる方も多いのではないでしょうか。このような都合のよい保険は存在しないと考えた方が良いと思われます。大事なのは、お住みのマンションに最適な「補償範囲」となっているか、無駄な「補償」は付加していないかなど検討することだと思います。

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  • イラスト
    5-Q2.
    先日、バルコニーに置いていた、「植木鉢」が強風で飛ばされ、自宅のサッシに衝突し窓ガラスが割れ、バルコニー手摺にも衝突し手摺のフレーム部分が変形しガラス部分が割れました。費用は個人負担でしょうか。
  • 5-A2.
    バルコニー、窓枠は共用部分ですが、専用使用部分といって、特定の者しか使用できないような部分です。これは、標準管理規約「第14条」に定めがあります。また、その管理については標準管理規約「第22条」に定めがあります。このようなケースどちらの負担においても疑義があります。つまり、不可抗力において、発生している事案なので個人、管理組合双方ともに納得がいかないのではないでしょうか。実は、この事案も共用部分に付保している「損害保険」に「風災」が担保されていれば対象になる可能性があります。
    損害保険会社、又は代理店に本件の事案の経緯を説明し、相談されてみてはいかがでしょうか。保険金請求、相談に当たっては何かと難解なこともあります。当事務所が顧問をさせて頂いている管理組合では、このような事案についても助言、指導を行っています。

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 ⑥分譲主の諸問題について

  • イラスト
    6-Q1.
    当マンションでは、分譲駐車場があります。その分譲駐車場から道路に出るためにマンションの敷地を通ります。その理由から、毎月「敷地通行料」を管理費、修繕積立金と一緒に管理組合に納めています。この「敷地通行料」は、分譲主が販売時に設定していて、この「敷地通行料」について尋ねたところ、マンションの敷地を通行するための対価との回答でした。この場合「敷地通行料」は払うべきものなのでしょうか。
  • 6-A1.
    新築マンション販売において、ごく一部の分譲主がこの「分譲駐車場」の販売を行っております。つまり、敷地の一部を切り売りして、少しでも、売上げを確保することが狙いと思われます。あまり、好ましい販売方法とは思えないです。
    本件の分譲駐車場に伴う「敷地通行料」の件ですが、当該マンションの敷地を通行するための対価ということが、この「敷地通行料」を課している根拠と説明されたようですが、当該マンションの敷地は、当該マンション区分所有者の共有の土地で、いわば、全ての当該マンション区分所有者の共有名義となっている土地なのです。ですから、分譲駐車場所有者は当該マンション区分所有者でもあり、かつ、当該マンション敷地の共有者でもあり持分を所有しているのです。ですから、持分を所有する土地を無償で自由に通行できる権利は確保されているのです。「敷地通行料」を払うということは、「自分の土地」を通行するのに「お金」を払っていることではないでしょうか。
    よって、「敷地通行料」の支払いの義務はないと思われます。分譲主の販売担当者が上記のような理由が「敷地通行料」の支払い義務と説明したとしたら、「宅地建物取引業法」の重要事項説明違反(虚偽説明)に抵触している可能性があります。宅地建物取引士なら「自分の土地」を通行するのに「お金」を払う根拠はないことは、当たり前のように理解しているはずです。九州地方整備局建政部宅地建物取引業係(TEL092-471-6331)又は福岡県庁建築指導課宅建業係(TEL092-643-3719)へお尋ねしてみてはいかがでしょうか。
    自分の持分のない他人の所有地を通行する場合には「通行料」なるものを請求されたとしても抗弁はできませんが、本件は自己が持分を所有する土地の通行であるという点で、無償で通行できるのが当たり前だと思います。

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  • 6-Q2.
    新築マンションを購入し、引渡しを受け入居して3ヶ月が経過しました。マンションを購入するにあたって、以前から分譲マンションに関する知識を「インターネット」「書籍」等で勉強しました。マンションの引渡しを受ければ、「管理組合」に強制加入との認識でしたが、分譲主、管理会社に問い合わせたところ、「当マンションは、8割の入居があるまで管理組合は成立しません。」と回答されました。この、分譲主、管理会社の回答は正しいのでしょうか。
  • 6-A2.
    分譲主、管理会社の回答は、完全な間違いです。知識がないのか、嘘を回答しているのかは、わかりませんが、マンション販売をする会社(分譲主、販売会社)の社員、マンション管理を行う会社(マンション管理会社)の社員なら当然に正しく持ち合わせておかなければならない知識です。
    「建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)」第3条には、「区分所有者は、全員で建物並びにその敷地及び付属建物の管理を行うための団体を構成し(以下省略)」という記述があり、この条文でいう「管理を行うための団体」が管理組合に相当します。管理組合は区分所有者全員による集合体です。区分所有者=管理組合員(単に「組合員」とも呼ぶ。)なのです。管理組合は、2以上の区分所有者が存在すれば法律上当然に成立するとされています。つまり、1住戸でも引渡しを受ければ管理組合が成立するのです。この場合、1の買受者、残りの住戸の区分所有者は分譲主となるので、2以上の区分所有者が存在することになるからです。管理組合の成立に8割の入居が必要など何の法律の根拠はありません。

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 ⑦諸設備の保全について

  • 7-Q1.
    マンションが受けなければならない「法定点検」について教えて下さい。
  • 7-A1.
    マンションの設備により、「法定点検」を受けなければならないものは様々ですが、設備ごとに回答致します。
    「エレベーター」設備があれば、毎月の点検があり、年に一度、官公庁に点検結果を報告し、「検査済証」の発行を受けエレベーター内に掲示しなければなりません。これは、生命に関わる重要な点検であるといってもよいでしょう。
    次に、「消防設備点検」です。火災等で消防設備が正常に作動するか、正常な機能を有しているかを点検します。半年に一度「機器点検」1年に一度の「総合点検」を実施します。さらに、3年に一度、所轄の消防署へ「点検結果」を報告しなければならないと法で定められています。これも、生命に関わる重要な点検です。「マンションは火災が起こりにくいから、点検は1年に一度でいいだろう。」と法で定められた点検を行っていないマンションの居住者、マンション管理会社担当者の声を聞いた事があります。また、消防署への報告は、3年に一度なので、3年に一度の点検でよいと誤解されているマンション居住者の声も聞いたことがあります。とんでもない話です。このように、法で定められている点検を怠り、マンション内で火災が発生し犠牲者が出た場合には、そのマンションの管理者(理事長)、防火管理者が様々な法の裁きを受けることになります。具体的な法の裁きとして、民事における「損害賠償請求」による金銭的な裁き、刑事においては「消防法違反」による「懲役」等の刑事罰などがあります。万が一の場合に備え、被害を最小限度にとどめるための点検であることを理解すべきと思います。
    次に、マンションに「受水槽」「高置水槽」のいずれも、もしくはいずれかが設置されている場合には、有効水量10?超の場合は「簡易専用水道検査」、有効水量10?以下の場合は「小規模貯水槽水道検査」年に一度、検査を受けなければなりません。マンション居住者へ飲料水が衛生的な状態で供給されているかを検査するものです。これは、厚生労働省(実務的には、委託機関が行う。)が水道法の定めを根拠に行う法定検査です。マンション居住者の健康に関わる重要な検査です。不衛生な状態で飲料水が供給されていると必ずしやマンション居住者に健康被害が及ぶ可能性が高くなります。「ウチのマンションは年に一度、貯水槽清掃しているから、このような検査は受けなくてよい。」と言っているマンション管理会社担当者、マンション居住者の声を聞いたことがあります。明らかに水道法を無視していることなのです。検査を受けずに飲料水を供給し、万が一、マンション居住者の健康被害が発生した場合には、消防と同様、マンションの管理者(理事長)が民事、刑事の責任を問われることは言うまでもありません。
    その他、「受水槽」「高置水槽」が設置されておらず、直結式で飲料水を供給しているが、水圧補助の為「増圧給水装置」が設置されている場合には、その「増圧給水装置」の「逆流防止機能」が正常に作動しているかという「機能点検」があります。水道本管からマンションへ供給された水が「逆流」すると、水道本管への支障をきたすのでこのような点検が義務付けられています。
    その他、「法定」ではなく「任意」の点検となりますが、機械式駐車場、オートロック扉、留守番ロッカーが設置されているマンションでは、1ヶ月~4ヶ月に一度の「保守点検」があります。点検の目的は、異状をきたし被害が発生しないよう予防、防止する為です。特に「機械式駐車場」では、死亡事故が発生しているため、気を付けなければなりません。
    このように、「法定点検」「任意点検」の目的は、マンション居住者の生命、健康を守り、いつまでも「快適」に生活し続けていただくように定められているものなのです。

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  • イラスト
    7-Q2.
    当マンションはエレベーター付きです。先日、管理会社の担当者、マンション専門家よりエレベーター保守契約形態の件で、「築年数が新しい間は故障が少ないから、毎月の費用が安い『POG契約』を締結し、築年数が古くなったら故障が増えるから、様々な修理代込みの『フルメンテナンス契約』を締結したら管理費の出費を抑えることができてお得ですよ。」という提案を受けました。この提案が、本当にお得なのかどうか疑問に思い質問させて頂きました。
  • 7-A2.
    エレベーターが設置されていれば、建築基準法第12条で年1回の定期検査(法定検査)を行い、自治体に届け出ることが義務付けられています。さらに、1ヶ月に1回、任意の保守点検を行い適切な作動状態を維持できるようにし、かつ耐用年数が少しでも長くなるようにしています。
    この1ヶ月に1回の任意保守点検の契約には2種類存在し、「フルメンテナンス契約」と「POG契約」があります。POG契約は、パーツ(P)オイル(O)グリス(G)の略で、機器装置などの各部品の点検・給油・調整を行い電球・ヒューズ・リード線などの小消耗品、グリス・オイル補給は保守料に含まれております。しかし、その他の部品交換、修理は、別料金となります。フルメンテナンス契約は、POG契約の範囲に加えて毎月の契約料金の中でロープ等の通常摩擦部品の交換工事を計画的に行います。
    確かに、築年数が新しい間は交換部品の発生や、修理することも少ないでしょうから、毎月の料金が安い「POG契約」がお得ということが言えます。しかし、フルメンテナンス契約は、計画的に機器装置、消耗部品の交換を行っており、その費用は、毎月の料金で賄っているというところに着目点があります。つまり、フルメンテナンス契約は、将来発生が予測されるPOG契約範囲外の消耗部品交換の費用を毎月の料金の内、一部を留保、つまり積立金のようにしているようです。だから、毎月の料金はPOG契約に比べ高いのです。それでは、「POG契約」から「フルメンテナンス契約」へ契約は可能なのかということですが、結論は、条件付きで可能との各エレベーターメンテナンス会社(メーカー系)回答を得ております。その条件とは、「POG契約」に変更する時点までに、「フルメンテナンス契約」で行われていた「計画修繕」を完了させることです。この「計画修繕」が実施されていなければ、この修繕費用を一時的に負担しなければなりません。その他、注意点として、「新築当初」に設定していたフルメンテナンス契約の月額料金より、「築数年経過後」のフルメンテナンス契約の月額料金が高くなる可能性が高いというで、この件についても各エレベーターメンテナンス会社(メーカー系)から回答を得ております。つまり、「POG契約」では、留保金がないため、その留保金を短期間で積み立てなければならないからです。
    よって、質問にあるような、管理会社、マンション専門家の提案にある「お得」なのかどうかについては疑問を感じ、築年数が新しい期間は「お得」かもしれませんが、築年数が経過すると、当初からフルメンテナンス契約を選択した方が長い目で見れば、トータルの出費は抑えられていて、途中からフルメンテナンス契約は逆に損じゃないかとの疑義があります。つまり、25年から30年の長期で「新築当初からのフルメンテナンス契約」の場合と「築10年からのフルメンテナンス契約」の場合と予測表を作成し結論を出すのが最善と思われます。

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  • イラスト
    7-Q3.
    築後28年を迎えるマンションに住んでおり、給水管、給湯管、排水管の改修工事について検討を始めております。着工までどのように進めていくのがよいのか、教えて下さい。
  • 7-A3.
    建物は、築年数が経過するほど多種多様な修繕工事が必要となってきます。しかし、修繕工事の時期が到来したからといって、即修繕工事を着工するのではありません。このような、修繕工事の仕方は、病気でもないのに薬を飲んだり、手術をしたりするようなものです。薬を飲む、手術をする前には、必ず検査を受けるのではないでしょうか。つまり、修繕工事の時期が到来したならば、まず「調査、診断」を行います。「調査、診断」を行うことで、どの部分をどのような修繕工事を行うことがベストなのかを把握し方向性を定めます。

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 ⑧居住者間のトラブルについて

  • 8-Q1.
    入居してから上階の方の騒音に悩まされています。具体的には、夕方から深夜にかけての足音、AV機器からの音、楽器演奏の音が主な音源です。この騒音により、睡眠不足となり体調が悪化し通院することとなりました。この騒音を発する居住者への対応について教えて下さい。
  • 8-A1.
    騒音問題を抱えているマンションは、大なり小なりたくさんあると思います。迷惑を被っている居住者からの言い分は、「時間を問わず上階の方がうるさい。」と不満を訴え、加害居住者からの言い分は、「不満を言われるほど音を発していない。」と抗弁します。この「不満」と「抗弁」の収拾がつかなくなると、合法的には「訴訟」、非合法的には傷害、殺人などへの「凶悪犯罪」へ発展し、とても、マンションに快適に暮らし続けることはできません。
    この騒音問題の解決には、当事者間の話し合い、あるいは、理事会立会いの下の当事者間の話し合いを第一段階の対応としては、いかかでしょうか。お互いの言い分を聞き取り、この言い分が妥当かどうか、あるいは改善の余地があるかどうかなどを協議しお互いの妥協点を見つけ出していってはいかかがでしょうか。共同生活をしていく上で、社会通念上当マンションとしてはどのようなルールを定めていけば、いつまでも全居住者が快適に暮らし続けることができるのかを話し合う良い機会だと思われます。
    以下に示す数値が裁判例にみる音の基準です。参考にして頂ければと思います。
    時間帯 音量[単位:dB(デシベル)]
    午前6時~午前8時 45
    午前8時~午後8時 50
    午後8時~午後11時 45
    午後11時~午前6時 40
    時間帯 / 音量 午前6時~午前8時 / 45dB
    時間帯 / 音量 午前8時~午後8時 / 50dB
    時間帯 / 音量 午後8時~午後11時 / 45dB
    時間帯 / 音量 午後11時~午前6時 / 40dB
    • 音量[単位:dB(デシベル)]
    この基準は、そのマンションの立地条件によって異なってきますが、裁判において判断されるのは、「受忍限度(いわゆる我慢の限界)」です。
    話し合いをされる際には、上記の基準、「受忍限度」というキーワードを基に協議されてはいかがかと思います。また、このような諸問題解決についてもマンション問題の専門家「マンション管理士」をご利用されてはいかがかと思います。

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福岡県マンション管理士会